自己嫌悪から始まるイノベーション

とりあえずやってみることに意味がある!

でもTポイントが貯まるからファミマに行く


次のフレーズを口ずさんで欲しい。


セブン♪イレブン♪いいカンジ♪





お気付きだろうか?そこはかとない違和感に。

もちろん正しくは、「いいキブン♪」である。


意味的にはほとんど同じなのに、「しっくり感」がここまで違うことに驚いてほしい。

もちろん「いいキブン♪」の方が耳慣れているというのはあるが、それ以上に重要な点がある。

それは言うまでもなく、語尾を「ブン」で揃えているという点、つまり、「韻を踏んでいる」ということだ。


韻を踏む。

リズミカルに語尾の母音を揃えることであり、歌詞や詩文で、語感を良くしてメッセージを際立たせるために用いられる技法である。

韻を踏む inouu

ピンと来る inouu

これらは母音が揃っているので、リズムに乗せることで韻として作用する。

そしてとりわけ、子音レベルまで音を揃えたものは、通称「子音踏み」と呼ばれる。セブンイレブンも、「ブン」で揃えている。

子音踏みは通常の押韻よりもハイレベルなテクニックとして扱われており、子音踏みを巧みに使いこなすアーティストに、群衆は尊敬の念を抱く。


例えばKICK THE CAN CREWの『sayonara sayonara』でKREVAが放ったこのフレーズ。

"使える言い訳は「全部使って」高い壁に全「然ぶつかって」行かない"

鍵括弧で括ったところが子音踏みの箇所だ。


どうだろう。言葉の響きと意味があいまって、感動すら覚えないか?


そう。子音踏みは、そのテクニックの高等さから、感動を生み出すことができるのだ。


しかし子音踏みは、ややもすると「ダジャレ」と混同されかねない立ち位置にあり、個人的にはその事実が非常にもどかしい。真の子音踏みは、心底驚きと喜びをもたらしてくれる崇高なものなのに。

ダジャレと子音踏みは似て非なるものであり、その違いは明確だ。それは、子音踏みにはリズムが求められるということ。


"アルミ缶の上にあるミカン"

→ダジャレ

"錆び付いてしまったアルミ缶  今でもその上にあるミカン"

→子音踏み


"コーディネートはこうでねぇと"

→ダジャレ

"彼が見立ててくれたコーディネート 「女の子はやっぱ こうでねぇと!」"

→子音踏み


違いがわかっていただけただろう。



話を戻す。

以上のことを踏まえて、もう一度下記のフレーズを口ずさんで欲しい。


セブン♪イレブン♪いいキブン♪


なんと崇高な子音踏みか。セブンイレブンのそれは、誰が見ても聴いても、圧倒的にリズミカルである。

ーそう、嫉妬すら覚えるほどに


セブンイレブンは、高度なテクニックが要求される子音踏みを巧みに利用して、脳裏にこびりつくようなキャッチーなフレーズを生み出し、利便性と一緒に感動をお茶の間に届けていたのだ。



sayonara sayonara

sayonara sayonara